結合組織の分類とは?筋膜や脂肪組織との関係も徹底解説

🧠一言でいうと

結合組織は「疎性」「密性」「特化」「胚性」に分類され、構造と機能によって役割が異なる。筋膜や脂肪組織との関係も深い。


🔍 結合組織の分類:全体像

結合組織(Connective Tissue:CT)は、構成と機能の違いにより以下のように分類されます。

🔹 ① 特化結合組織(Specialized CT)

  • 骨、軟骨、脂肪など。

  • 特定の構造や機能に特化しており、支持・保護・エネルギー貯蔵などの役割を担う。

🔹 ② 固有結合組織(Proper CT)

  • 疎性CTと密性CTに分かれる。

  • すべての臓器や筋を包み、構造の保持・滑走性・力の伝達などに関与。

🔹 ③ 胚性結合組織(Embryonic CT)

  • 胚の発生期に見られる未分化な結合組織。

  • 多能性を持ち、さまざまな組織に分化する。


🧵 固有結合組織の分類(図解あり)

▶️ 疎性結合組織(Loose CT)

  • 構造:柔らかくゲル状の基質と比較的少ない線維で構成される。

  • 機能

    • 臓器・筋との間での滑走性を提供。

    • 小血管から栄養素・代謝産物の拡散を促進。

    • 熱・pHにより硬さが変動する性質あり。

  • 脂肪細胞も疎性CTに含まれ、単なる脂肪貯蔵ではなく内分泌器官としても働く。


▶️ 密性結合組織(Dense CT)

種類 特徴・構造 代表的な場所
規則的 平行なコラーゲン線維で構成 腱・靱帯・腱膜
不規則性 多方向にコラーゲン線維が走る構造 真皮・筋膜など
弾性 伸縮性のあるエラスチン線維を含む 弾性靱帯など

📷 固有結合組織の分類図(図1.5)

この図は「筋膜系の機能解剖アトラス」より引用。


🧊 白色脂肪組織(WAT)とは?

  • 皮膚下や内臓周囲に存在し、エネルギー貯蔵・クッション機能を果たす。

  • **内臓脂肪(VWAT)**は代謝疾患との関係が深い。

  • アディポカイン(サイトカイン・ホルモン)を分泌し、内分泌器官としても機能


🔥 褐色脂肪組織(BAT)とは?

  • 主に熱産生が役割。

  • 頸部や肩甲骨間などに存在し、毛細血管が豊富

  • 酸素消費が多く、ミトコンドリアに富む。


✨まとめ

分類 特徴 主な構造物
特化CT 特定の構造・機能に特化 骨・軟骨・脂肪
固有CT 疎性と密性に分かれる 筋膜・腱・靱帯など
胚性CT 未分化で多能性あり 発生期の支持組織

結合組織は「ただのつなぎ」ではありません。
動き・支持・代謝・内分泌・免疫に関わる、まさに「縁の下の力持ち」。
筋膜を理解するうえでも、結合組織の分類と構造の理解は必須です💡


✅ 次回は、「皮下組織と浅筋膜の構造」について深掘りしていきます!

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