🧠一言でいうと
結合組織とは、全身の構造と機能を支える“接着剤”のような存在で、その構成や働きは想像以上に奥深い!
📝 導入文(例)
私たちの体を構成する重要な組織のひとつ「結合組織」。
その役割は非常に多岐にわたり、構造の維持、臓器の保護、代謝の調整にまで関わっています。
今回は、「筋膜系の機能解剖アトラス」をもとに、結合組織の構成要素とそれぞれの特徴について解説します。
🔍 結合組織とは?
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全身に存在し、身体の各部位をつなぐ接着剤のような役割。
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骨、筋、腱、臓器、皮膚など、あらゆる場所に存在。
🔧 結合組織の3つの主要構成要素
① 細胞
以下のような多様な細胞が含まれます。
🔬 線維芽細胞
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結合組織の主要細胞。
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コラーゲン線維・弾性線維・基質内の複合糖質などのECM成分を分泌し、組織の構造を保つ。
🔋 脂肪細胞
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単房性脂肪細胞(白色脂肪):数は思春期までに決まり、体重減少では数は減らない。脂肪量のみ減る。
→ 成人では約10%が毎年新しく入れ替わる。 -
多胞性脂肪細胞(褐色脂肪):ミトコンドリアが豊富で、熱産生に関与。
🌱 多能性間質細胞
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骨、軟骨、筋、神経など様々な細胞に分化可能。
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胚性間葉細胞の性質を持ち、自己複製能力も高い。
② 線維
結合組織の強度・弾力性を支える要素。
🧱 コラーゲン線維
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最も豊富な線維。
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種類:
- I型:90%、真皮、骨、筋膜、臓器など
- II型:軟骨
- III型:肝臓など臓器の細胞支持
- IV型:上皮基底膜 -
ターンオーバーは300〜500日。
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伸張刺激でコラゲナーゼなどの分解酵素が分泌され、更新が促進される(Carano, Siciliani)
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周期的な伸張>連続的な伸張が効果的。
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機械刺激から10〜15分で細胞が順応し、生物学的活性は低下する。
🧶 弾性繊維
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コラーゲン線維よりも細く、
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エラスチン+フィブリンで構成される。
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弾力性に富み、伸縮運動に重要。
③ 細胞外マトリックス(ECM)
💧 基質(non-fibrous ECM)
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無定形ゲル状で、細胞を包む。
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細胞の栄養供給・支持に関与。
🔗 主成分
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プロテオグリカン:コアたんぱく質からなる巨大高分子
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ヒアルロン酸(HA):
- 筋・腱の滑走性を高める潤滑成分
- 2〜4日周期でターンオーバー -
リンクたんぱく質:
- HAやプロテオグリカン同士を結合させる。
- 老化により増加し、可動性低下の原因となる。
🧩 おわりに
結合組織は、ただ「つなぐ」だけではありません。
その構成要素一つひとつが、私たちの動き・再生・順応に深く関わっています。
次回は、「結合組織の分類」についてです!
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